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2006.05.16

ヤブと格闘 箱根・白銀山(本州縦断#34)

白銀山の印象を一言で言えば、ハイキングのメッカ箱根にあるにもかかわらず、金時山や駒ヶ岳のようにおいでおいでと手招きしている山ではなく、誰にも登らせないと言う気概を持った山と言えます。
それは、山頂直下に観光道路が通っているにもかかわらず、猛烈な笹ヤブが待っており、最近のガイドブックに紹介されていない箱根の秘境と言う環境にあることがあげられます。
この山に、アセビの咲く4月後半、本州縦断のルートとして登ってきました。
案の定、背丈を超える藪をかき分けては、道を探す厳しい登山となりましたが、ヤブ山を越えて湯河原海岸に到着したときの感動は何物にも代えれませんでした。

山行日:平成18年4月22日(土)
天  気:時々青空がのぞく曇り
山  域:箱根
コ ー ス:
箱根湯本(8:30)…三所山(11:00 11:10)…白銀山(12:00 12:15)…箱根ターンパイク(13:00)…引き返し点…箱根ターンパイク(14:00)…大観山(14:50)…白銀ハイキングコース入り口(15:20)…幕山(17:00 17:15)…湯河原海岸(18:45)
注 意:バリエーションルート とにかく背丈を超えるヤブがやっかい

あまり山と「格闘」と言う文字を使いたくないとは思いつつも、今回の山行は、久しぶりの格闘であった。
箱根湯本駅で金時山に行くらしい賑やかなハイカーを横目に、徒歩でスタート。滝通りの温泉街を抜け旧街道から白銀林道に入る。箱根新道のガードをくぐり、さらに登ると右手に細い林道が分岐。これを進むと終点が白銀山の登山口。そして、私にとっては楽しみにしていた本州縦断の最南端ルートの登山口である。

登山口からしばらくは良く踏まれた道が続く。時より相模湾や明星ヶ岳が見える快適な登山道で本当にこれがバリエーションルートなのか?と言う思いで登り続ける。しかし、1時間30分位登った730m付近のピークを越えると様子が一変する。今まで快適だった登山道は背丈を超えるヤブの中で突然消滅。かといって、左右に分かれたわけではない。「ここは箱根だぞ。落ち着け」と下ってきた道をピークに登り返す。と、すぐに左に下りる微かな踏み跡を発見。これを尾根を外さずに下ると鞍部へ到着。その先もかすかな踏み跡が尾根を登るようにあった。先ほどまでの綺麗な登山道は、微妙なこの踏み跡が分からずに撤退した人が広げたようだ。全てを納得した私は、「後は、湯河原で温泉だ!」と、楽勝ムード。が、これは、全くの思いこみであったことを後で散々反省させられることとなった。

01_4踏み跡程度の登山道をしばらく進むと、三所山山頂到着。ここから先は快適な登山道が白銀山まで続くと思っていたが、現実は、背丈を超えるヤブの中に着いた僅かな幅の道(というより、踏み跡)を笹を分けながら進む。

 

 

 

02_3  40分程で道標だけ立派な弾正ヶ原分岐、そこからも背丈を超えるヤブを漕ぐこと約10分で、やっと白銀山山頂到着。ここにも立派な指導標があるが背丈を超える笹で展望はおろか、お昼を広げるところなし。こんな山頂は今まで無かっただけに、とても新鮮。
(山頂から来た道を振り返る)

 

 下山は、さっきの弾正ヶ原分岐に戻り
1.南に星ヶ山を越え幕山、
2.昔のガイドブックに載っていた南西尾根を下り白銀林道を経由し幕山
どちらか展望が開けて快適な登山を楽しめるルートと思って、ほんの僅か下を走っている箱根ターンパイクまで下りることにした。

が、これがヤブの中、行けども行けども着かない。本当にすぐ下なのにと思っていたら、目の前に踏み跡が現れる。これを左に行けばすぐにターンパークに到着と確信して車の音のする方に進むと、さっき通った弾正ヶ原分岐の指導標に再到着。

03_1

 どうやらヤブの中で方向を完全に見失いぐるっと回っていたようだった。今度は、地形図で地形を確認しつつ、途中の沢状のところを強引に下りるとポンと箱根ターンパイクに下り着いた。「白銀山。なんて強敵なんだ。」観光地、箱根の山という感覚が全く打ち壊された。

箱根ターンパイクに降り立った私は、1のルートの降り口を探したが見つからず、小さな看板のあった2のルートを下ることとした。

04_13 下り始めは踏み跡があったが、すぐに密集した笹に行く手をふさがれる。しかし、古いガイドブックに書いてあった道だ、しばらくすると必ず道はあるはずと信じていた私は、無謀にも笹藪の中泳ぐようにして下る。この判断は軽率であった。15分程覚悟して下りたが、気が付くとヤブに取り囲まれ、進むも退くも出来ない状況。自分がどこいるか全く分からない前後不覚の状態に、山に登って初めて恐怖感を感じた。とにかく、ここから脱出しないと、「落ち着け、何か手がかりがあるはずだ」と思った瞬間。ターンパイクのバイクの爆音が…。そうか、こっちに行けば戻れる。と、必死になって音のする方向に進む。しばらくすると何となく尾根に乗ったことが分かり、引き返してから30分。ようやくさっきの小さな看板の所に戻ることが出来た。いつもは頭に来るバイクの爆音がこんなにありがたいとは思わなかった。

地図を再度広げると、ターンパイクの料金所にある大観山のバス停までだいたい徒歩40分くらい。ここからバスで湯河原に下山と決心をした。途中の展望台から湯河原の海岸線が手に取るように見え、「箱根」と言うことで甘く見ていた自分に反省しつつ、トボトボと自動車専用道路を歩く羽目となった。

しかし、歩きながら地図を眺めていたら、幕山に繋がる1本の登山道を発見。バス停箱根レーダー局前の上手から白銀林道へ下り、幕山に僅か登り返し、そのまま湯河原海岸へ一直線に下りる道。今まで、完全に落ち込んでいた自分はどこに行ったのか、大観山バス停でちょうど来た湯河原駅行きのバスには目を向けず、嬉々として県道を下りる。
「白銀ハイキングコース」ここから再スタート。林の中をぐんぐん下ると土肥の大杉、なになら源頼朝が関わっている由緒ある木らしいが、そんなことは気にせず、白銀林道まで一気に下りる。そして林道を幕山へ。

05_1縦断コースの最南端のピーク幕山の山頂に着いたときには、すっかり夕刻の雰囲気であった。目の前には今日の終着点、湯河原の海。後は、あそこまで下りるだけと安堵した。
 

  幕山のハイキングコースから湯河原の市街地を抜け、海岸に着いたときにはすっかり日が暮れていた。海まで下りようと思ったが、暗闇で下り口が分からず、結局、防波堤の上からの記念撮影となった。

06

 

 

 

 

「白銀山」本当に苦労させられた山だったが、久々の充実感を味わった。
本州縦断は、まだまだ続く。

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