ハイキング:マッターホルン待ち ローテンボーデンからリッフェルベルク
8月12日(火) 曇り後雨
マッターホルンは門前払いだった。
新田次郎氏が著書『アルプスの谷 アルプスの村』で「石の巨人」と讃えたマッターホルンと出会うことは今回の最大の楽しみであった。
グリンデルワルドから電車でヴィスプを経由してツェルマットに入る。天気予報は傘マークだが、さっきから青空が少しだけ覗いている。いよいよマッターホルンとご対面、と期待して、ゴルナーグラート鉄道に乗る。
リッフェルアルプを過ぎると森林限界を越える。昨日クライネシャイデックで遊んだときよりも瓦礫が多い感じで、いかにも高山という車窓が広がる。広がった先のマッターホルンは雲の中。これで雲が切れれば、大感動かなと期待を込めて車窓から晴れ男パワーを送る。
…見えない。雲の中…。
晴れていれば、ドーム状の建物の上に槍ガ岳のようなマッターホルンが三角錐の形で見えているはずなのに。ツアー全員肩を落とす。青空は、マッターホルンの方ではなく、ちょうど真上。念の入れる方向を間違えてしまったようだ。
気を取り直して周りを見渡すと、ゴルナー氷河のマフラーをまとったモンテローザが雲の中から、ちらっと覗く。
「マッターホルン君はダメみたいだけど、ちょっとは私を見てくれてもいいんじゃない?」という雰囲気。「すみません、ではちょっと失礼させていただきます」と恐縮しきった感じで拝見させていただく。
いやいや、この山もなかなか素晴らしい。スイス最高峰(4634mすみません、たった今知りました)の姿。見ているうちにどんどん薔薇の花に見えてくる。薔薇の下の氷河池(地形図上のobdem See)はネックレスに下げたエメラルドのよう。貴婦人のような姿は虜にさせた。
マッターホルンは見えぬまま、逆さマッターホルンが見えるリッフェルゼーに向かう。ローテンボーデンまで電車で戻り、ハイキング開始。
大きなマッターホルンが見えるような大きな湖(イメージとしては逆さ富士が見られる河口湖)。どこにあるのだろうと思ったら、5分も下りた目の前の「池」。意外な小ささに驚き。
そして、肝心なマッターホルンは…。全く見えない。ブライトホルンとマッターホルンの間の稜線上の峠から次々に越えてくる雲で完全に隠されてしまっている。たとえ、この雲がとれたとしても、風で池面がさざ波立っていて見えないと思った。マッターホルンには見放されたと思った。
しかし、この池はなかなか良い。本当に小さな池にワタスゲの真っ白な綿が広がる。このワタスゲは、日本と同じく初夏に花がさき、この時期に真っ白の綿を着けるそうだ。綿は日本の物よりも大きくふわふわして暖かな感じが素敵。それが池の前面に広がっていて、なかな趣きのある風景である。
リッフェルゼーからハイキング道は、昨日の草原の中と対照的に今日は森林限界のゴツゴツした石が目立つ道。道は思ったよりもしっかりしていて、意外と歩きやすい。お花畑とはいかないが、所々に花が目立つ。
名前不明。キキョウのようにも見えますが…?
ミミナグサ
繊細で貴重な花だなと思って撮ったのですが、図鑑によると『高山帯の岩場や砂礫地、草原に普通に見られる』ちょっとがっかり。
やっぱり、エーデルワイスは今日も見ることは出来ませんでした。
リッフェルベルクから電車に乗ったとたん、昨日と同じように大雨が降り出す。昨日と今日と連続で、本当についている思った。
悔しかったので、翌朝、撮ってきました。
…すみません。駅のポスターです。
早朝、天気は回復傾向だったが、雲が谷に入りマッターホルンが見えなかった。残念と思っていたところ、ツアーの中で、マッターホルンの写真を撮ってきた人がいた。聞くと、散歩の途中でゴルナーグラード鉄道の駅にあるモニターのライブ映像を撮ってきたとのこと。
ツアー全員、「この手があったか!!」。朝食後、ホテルから駅までのほんの僅かの移動の時間に、ゴルナーグラード鉄道ツェルマット駅に押し掛け、ライブ映像やポスターを撮って、見えなかったマッターホルンの記念写真としたのでした。
「マッターホルン 待ったー けど出てこなかった」
一緒にライブ映像を撮った方のつぶやきが印象に残りました。
今回訪れるアルプスの四大名峰の3峰目。マッターホルンがモンテローザになってしまいましたが、名峰でした。
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